『ミニワールド』から『ネーションステート』へ


1.アメリカの『内政志向』が懸念されていますが、共産主義ソ連崩壊後に急速に進行したグローバリゼーションをポリティカル コレクトネス (政治的正義)とする時代の流れの中で『ミニワールド志向を強めたアメリカがネーションステートのアメリカへ回帰し、アメリカ経済(=ドル)が強さを回復する過程に入った』と考え、何も心配していません。否、1国の通貨に過ぎないドルが世界経済全体の成長通貨の役割を果たそうという重すぎる役割を果たそうとすれっば、ドルは『人類の歴史はぺーパーマネーをことごとく紙屑にして来たという呪縛』から逃れ得ないが故に、ドルが最強の1国通貨に戻ることは歓迎すべきであると考えています。
 
   私は、ハドソン研究所のハーマンカーンから教わった『注意深い楽観論』(“cautious optimism”)に従って、トランプ共和党政権によって『行き過ぎたグローバリゼーションが正常化する過程に入った』と達観しています。
 
   パリ協定から脱退し、アメリカのエネルギー資源の開発が採算に乗るようにした結果、アメリカの石油パイプライン関連産業が元気を取り戻しました。地球温暖化にとってはマイナスですが、LED電球の全面的普及や化石燃料エンジン車の生産中止さえ視野に入りはじめた科学技術が出現して来ると考える楽観論の立場です。
 ハーマンカーンの次の一言が思い出されます。『地球温暖化を心配する本人は、真冬に、暖房が効いた部屋でショートパンツとランニング姿で生活している。暖房効果が高い下着1枚を重ね着しないで・・・』 この一言は『educated incapability』(学歴の高い人ほど現実問題に対する能力が低い)という時の流れを嘆いた時に発せられたものでした。
 12月29日のアメリカ東部が大晦日に史上最高の寒波に襲われると述べたツイッターで『重ね着をしよう!』と呼びかけたトランプ大統領に『ビジネス出身の生活の知恵に裏づけられた健全な常識』を私は読み取っているのですが、如何でしょうか。
 
2.トランプ政権は『アメリカの人と企業のやる気を起こさせるだけで5.4兆ドル(日本の国家予算の5年分)もの株式時価総額の増加』を実現しています。これは私のスペキュレーション(確固たる事実に基づかない意見)ですが、ビジネス出身のトランプ大統領は、ハリウッド出身のレーガン大統領と同様、2期8年の任期を全うすると思っています。